[2014年3月20日]
移植手術用に提供される肺、提供者の半数が喫煙者! イギリス
肺の移植手術を受けた患者のうち、5人に1人が、1日に20本ものタバコを吸っていたヘビースモーカーから提供された肺をあてがわれている実情が調査で明らかになった。「デイリー・メール」紙が伝えた。
英国で、移植用に提供された肺のうち、半数はドナー(提供者)が喫煙者であることが分かった。しかし、移植用臓器は慢性的に不足しており、喫煙者ドナーからの肺の提供は必要不可欠であるのが現状だ。
ただ、研究グループでは「喫煙者の肺を移植した患者の生存率が必ずしも低くはなっておらず、移植を希望している患者に対し、喫煙者からの肺の提供に対して、いたずらに不安を抱かせるべきではない」と話している。
北西ロンドンにあるヘレフィールド病院の患者を対象に実施された調査では、実際に喫煙者からの肺が移植された患者の移植1年後の生存率が、非喫煙者の肺が移植された患者よりも、わずかに上回っていたという調査結果もでているという。
2007年以降、これまでに237件の肺移植手術が行なわれ、全体の53パーセントの患者が非喫煙者の肺、29パーセントが喫煙歴20年を超える喫煙者の肺で、18パーセントが少なくとも20年以上の期間、1日20本以上のタバコを吸っていたヘビースモーカーの肺が移植されたと報告されている。
しかし、ドナーの喫煙経験をもとに、非喫煙者、喫煙歴20年を超える喫煙者、少なくとも20年以上の期間、1日20本以上のタバコを吸っていたヘビースモーカーの3グループに分け、それぞれのグループから提供された肺の移植手術を受けた患者の術後を比較したところ、1年後と3年後の生存率について、3グループのあいだに差はほとんどなかったという研究結果もある。
こうしたドナーの喫煙歴よりも、移植手術を受けるタイミングのほうがよほど問題だとの指摘もなされている。移植手術を待つ患者のうち、半年以内に移植を受けることができているのは全体のわずか20パーセント。3年待てば51パーセントまで増加するものの、その頃までに、3人に1人が移植を待ちきれず死亡してしまうとされている。この際、偏見は捨てて、とにかく早く移植手術を受けることを優先すべきであるといえそうだ。
喫煙文化研究会の見解
肺がんと喫煙の因果関係はないというのが当会の見解ですが、この調査はそれを裏付けているのではないでしょうか?