[2014年2月15日]
室内禁煙で喫煙者総数は増加 スペイン 日経トレンディネット
日経トレンディのネット版で
スペインでは2010年に可決した法律で、2011年から全ての施設の建物内で喫煙が禁止された。それに伴い、飲食店では喫煙できるのはテラス席のみ。テラス席のない店は、店先に樽のテーブルと小さな椅子をむりやり置くなどして、なんとか喫煙客を逃さないように奮闘している。当初は店の前でたばこを吸う人々の姿が異様に思えたが、3年経った2014年、ようやく見慣れた光景になってきている。喫煙者は減っている印象があるが、実際のところどうだろうか。
ミニテラス席で喫煙できるスペースを確保
テラス席の設置は役所の許可が必要で税金もかかる
スペイン呼吸器病学協会の調べによると、実は喫煙者数は減っていないそうだ。現在国民の17.65パーセントが喫煙者で、その数は2007年より0.5パーセントも上昇しているという。公共の施設での喫煙が禁止され、たばこに対するネガティブな言葉や文章が、たばこのパッケージに大きく表示されるようになり、一見禁煙ブームのようなのに、実は喫煙者は増えている……。どうしてなのか探ってみた。
その理由は、法律で禁止されている13歳〜16歳までの世代の喫煙者の増加だ。経済協力開発機構の調べによると、スペインのティーンエイジャーの喫煙率は参加国34カ国中5位。若年層では、女性のほうが喫煙者が若干多いそうだ。なんだか心配な若者の健康状態だが、若くして吸い始め、中年に差し掛かる頃にはたばこを断つという人も多いらしく、そんな人々に近年人気なのが電子たばこである。
景気が思わしくなくシャッターが下りたままの店も少なくないなか、2013年に彗星のごとく現われ続々とオープンしたのが電子たばこショップだ。筆者の自宅付近200メートル圏内だけでも4店もあるほど。この電子たばこ、一体どこから来たどういうものなのか、近所で最初にできた店に取材した。
店名は「Puff(プフ)」。2013年4月に住宅街にオープンしたイタリアのメーカーだ。他の店も看板にイタリア製と出しているところがあるので、どうやらこの電子たばこ産業はイタリアからやってきた模様。電子たばことは、燃やして煙を出す元来のたばこと違って、バッテリーを使って専用リキッドを温めることにより出る蒸気を吸うもの。副流煙が出ないので、環境に優しく周りの人に迷惑をかけることもない。
同店の客層は、30代〜60代の脱たばこ志願者。男女の割合は半々だそう。プフの場合、ニコチン配合量に3レベルあり、喫煙初心者はニコチン量が多いものから始めて、最終的にはニコチンゼロのものに移行していくそうだ。
価格はバッテリーの大きさやデザインにより、最もシンプルなもので25.90ユーロ。それにリキッド(6ユーロ〜)を合わせて使う。リキッドはどれもイタリア製で約55種もある。リキッドの成分は、水、グリセリン、化粧品などにも使われるプロピレングリコール、香成分、そしてニコチン。
マネージャーのマリオさんいわく「一番人気はやはりたばこ風味。続いてバニラ、シナモン、カクテルのモヒート風味も売れ筋」。驚くのはバラエティーに富んだリキッドの風味。カップケーキやコカ・コーラ、ドリンク剤のレッド・ブル、バターたっぷりで甘そうなデンマークのクッキーなんてものまで。マリオさんによると「お客さんの多くは、リピーター。次はこの風味、と異なる風味を楽しむ人が多い」とのこと。
とのことですが、喫煙文化研究会の見解としては、
電子タバコが有害であるという調査結果もあることで、一見健康に留意したはずの電子タバコ愛好者が、ストレスをかえってためてしまうばかりか、健康にも悪いというのは、本末転倒であると感じます。
何とか、分煙で愛煙家、非喫煙者が共存できないでしょうか…