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[2014年5月12日]

受動喫煙防止条例は縮小が自然の流れ

神奈川県、兵庫県に続き受動喫煙防止の条例化に動いていた山形県の吉村美栄子知事は3月24日の会見で、「今年度中に判断する」としていた方針を撤回し、結論を先送りする考えを示した。

 その背景には、議会内で消費増税などによる事業者の分煙設備導入の負担増を懸念する声が多くを占めたこと、実際に影響を受けそうな事業者が強く反発していることなどがあるようだ。

 飲食店や喫茶店、宿泊業者などで組織される山形県生活衛生同業組合団体協議会は、「われわれ事業者が直面している厳しい状況への配慮と受け止める」と知事の判断を歓迎している。

 山形県同様、受動喫煙防止の条例化は全国の自治体でトーンダウン気味。一方で、迷惑行為につながる路上喫煙に関しては、各自治体が積極的に策を講じている。

 現在、路上喫煙防止(規制)に関する条例を施行している自治体は全国でおよそ200カ所。そのうち、喫煙禁止エリアを指定し、その中での喫煙を一切認めないという厳しい条例を設けているのが10数例(つくば市、千葉市、府中市、名古屋市ほか)。喫煙者のマナー向上に期待を込め、努力義務として喫煙を制限するという程度に抑えている条例が40数例(港区、台東区ほか)。それ以外は概ね、喫煙禁止エリアは指定しているが、喫煙場所などでの喫煙は認めるというものとなっている。

 条例に違反した場合の罰則は、最も厳しい罰金刑を明記しているのが目黒区。「路上喫煙禁止区域内では公設の指定喫煙場所以外での喫煙を禁止。違反者には是正勧告の後、行政命令発布を経て3万円以下の罰金刑に処す」としている。

 また、2002年に「歩きたばこ」禁止条例を全国で初めて施行した千代田区をはじめ品川区、大田区、杉並区、板橋区、足立区、府中市、八王子市など約40条例が過料徴収を明記している。

 東京都では渋谷区が条例や罰則を設けていないが、喫煙規制には積極的。4月1日から区内にある全123カ所の区立公園のうち、児童公園や300平方メートル未満の小規模公園など78カ所を全面禁煙にした。その他の公園についても本年度中に、衝立などで仕切った喫煙スペースを設置して分煙化を進めていく。

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