[2014年4月7日]
健康の基準を大幅に緩和 日本人間ドック学会
日本人間ドック学会は、人間ドックを受診したおよそ5万人の健康な人のデータを解析した結果、血圧やコレステロールの値などについて、現在の健康診断で正常とされている数値の範囲を大幅に緩めるべきだとする調査結果をまとめました。
人間ドック学会と健康保険組合で作る小委員会は、平成23年の1年間に人間ドックを受診したおよそ150万人のうち、持病がなく、ほとんどの検査項目で異常な値がない健康な人、およそ5万人のデータを解析し、正常とされる数値の範囲を調べました。
その結果、血圧は、現在正常とされる数値が、上の値は129まで、下の値は84までですが、上の値は147まで、下の値は94までとなったということです。
また肥満度を表すBMIの値は、現在男女ともに25までですが、男性は27.7まで、女性は26.1までとなりました。
さらに中性脂肪は、現在149までですが、男性では198までとなりました。
悪玉コレステロールとも呼ばれるLDLコレステロールは、現在男女とも119までですが、男性は178まで、女性は30歳から44歳が152まで、45歳から64歳が178まで、65歳から80歳が185までと上限の値が大幅に高くなったということです。
総コレステロールも、現在男女とも199までですが、男性は254まで、女性では30歳から44歳が238まで、45歳から64歳が273まで、65歳から80歳が280までとなったということです。
人間ドッグ学会の山門實学術委員長は「この数値は、健康な人には当てはまるものの、何らかの持病がある人は参考にならない可能性があり、医師の指示に従って欲しい」と話しています。
人間ドック学会は、今後この結果を基に正常とされる数値の範囲を見直したうえで、健康診断を行う機関に基準として使うよう呼びかけることにしています。
事務局長より
いわゆる統計値である「疫学調査」の限界が如実に現れています。
今回は非喫煙者の「健康である」人を調べたそうですが、ぜひ「喫煙者」との比較をやって欲しいものです。