[2014年6月5日]
たばこ規制と健康常識への疑問 日刊ゲンダイ
5月31日。たばこ規制強化に躍起の世界保健機関(WHO)が制定した「世界禁煙デー」だった。今年のテーマは「Raise taxes on tobacco」(たばこ税の引き上げを)。WHOは「毎年、世界では600万近い人々が喫煙の流行で死亡。我々が行動を起こさない限り、2030年までには800万人が死亡すると推計されます」と警告し、各国政府に対してたばこ税の引き上げを呼び掛けるとしている。
国内の動きはどうか。厚労省はこの日、東京・六本木の東京ミッドタウンで「オールジャパンで、たばこの煙のない社会を」をテーマに記念イベントを開催した。「禁煙大使」に任命されたフィギュアスケーターの安藤美姫が受動喫煙の問題を取り上げ、禁煙を呼び掛けていた。厚労省は6月6日までの禁煙週間期間中、「禁煙及び受動喫煙防止の普及啓発を積極的に行う」として、さまざまな活動を展開中だ。WHOが主張するたばこ税の引き上げも、やがてテーマになる可能性がある。
「禁煙デーの前日に行われたシンポジウムで講演した厚労省のたばこ対策担当者は、禁煙対策として、たばこ税の引き上げが有効な手段との考えを披露しました。WHOと同じ認識を示したわけです。14年度税制改正では見送られたたばこ増税が今後、再び浮上する可能性があります」(厚労行政を取材するジャーナリスト)
健康に悪いたばこ(煙)を排除するには、増税でたばこの価格を引き上げ、買いにくくしてしまえ! ということだ。一連の禁煙政策、啓発活動の背景には、「たばこ=害悪=排除」という短絡的な思考が見えてくる。世の中に横行する「排除の論理」に他ならない。しかし、「たばこ=害悪」はすべて真実なのか。たとえば「喫煙者と肺がん」。さまざまな説、発症率が伝えられているが、だれもが納得できる科学的根拠、因果関係が示されているだろうか。「喫煙は医療費コストを引き上げる」という主張にしても、まったく逆の調査結果もあり、説得力に欠ける。
一方で、たばこやニコチンと病気、神経疾患、脳科学などとの関係では、さまざまな効用を指摘する研究データが報告されている。喫煙欲求のメカニズムに関する興味深い研究報告もある。一方的な「たばこ害悪論」に基づく規制強化、排除の動きは社会をゆがんだ形にしてしまう。
喫煙文化研究会の見解
厚生労働省のシンポジウムにはおなじみ産業医大の大和教授が出席していました。
もはや滑稽ですらありますね。